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Vol67.「その臨場感いただきたい」

 

 幼いころから、食い意地だけは張っていたと言うんでしょうか。テレビで誰かの美味しそうな食事風景を見ると居ても立ってもいられなくなるんです。

 ソフトな例でいうと、「となりのトトロ」のキュウリ丸かじりや、「ホタルの墓」のサクマ式ドロップスの空き缶に水を入れて飲み干すアレです。もちろん見ながら食べます。そして家族に飽きられていたレベルでいうと、ハイジのチーズ。おじいさんがチーズをトロトロゆっくり木のさじで混ぜ出せば、私は台所に走り「溶けるチーズ」をレンジでチンしてドロドロにさせ、ただただスプーンですくっておじいさんと一緒に食べていた卑しい子供でした。あとは・・・、数え上げればキリがありません。

 と、そんなヒストリーを脳裏に思い起こさせてくれたドラマにはまっています。それは、原作の漫画で話題を呼び、ドラマではシーズン2に突入した毎週水曜日深夜に放送中の「孤独のグルメ」です!

http://www.tv-tokyo.co.jp/kodokunogurume/ 

 このドラマ、松重豊演じる主人公・井之頭五郎がご飯やさんに行って、ただただ食べるいう内容。舞台は実在する店で、実在するメニューを食べるから、なんでも“グルメドキュメンタリー”という、今までありそでなかった作り。

でも、それだけなんですよねー。食べるだけ。会話もほぼなく、五郎さんの独り語りが主。出てくる店も、凝ったメニューがあるわけでもなし、オシャレな店でもなし、イケメン店員がいるわけでもなし。

 

だのに~な~ぜ、こんなに惹き込まれるのかっ

 やっぱり、あの五郎さんもとい、松重さんの美味しそうな表情に尽きるのです。普段はヤクザものが多く、いかつい松重豊のあのとろけるような笑顔を見たら、誰だって幸せな気持ちになります。そして、心の中で語られる気の効いたコメント。小難しいことは言いません。焼肉を噛みしめながら「うーん。筋肉の味」とかなんとか、ほんとに心の底から出る言葉なんですねえ。

これは孤独な食事

 もうこのドラマを見ちゃうと、普段グルメ原稿を書く身にとっては、「勝てないなー」なんてお手上げ状態になっちゃいます。あの表情とあのコメントは、300字の文章で美味しさを語るのを簡単に超えてしまう気が・・・。五郎さんの表情写真とひと言コメントでグルメ雑誌作れるんじゃ・・・。

しかし、いやや、しかし、いつかはあの破壊力を超える原稿を書かにゃあ。。。

 放送日翌日には、ランチに無意識に五郎さんが食べた料理を探すというマジックにかかる私。前回の「ちゃんこ鍋」はランチはないだろと思っていたら、偶然入ったうどん屋さんで、ありました。

五右衛門にて

―「ちゃんこ風うどん」。

もちろんごっつあんでした。

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