相変わらず、書店巡りが好きだ。
学生時代はお金がなく思うように買えなかった本も、今は少しずつ買い集められるようになっていて、学生時代はなかなかできなかった「本の衝動買い」までしてしまっているほど。
そんななか、最近私が衝動買いした本がコチラ。
『書店員が本当に売りたかった本 ジュンク堂書店新宿店』(飛鳥新社)
今年の3月に惜しまれつつも閉店した、ジュンク堂書店新宿店。
閉店前、店員の方々が「最後くらいは、自分たちの好きな本を薦めたい」という気持ちから「本当はこの本が売りたかった!」フェアを企画し、その本への熱い想いをしたためたポップを貼り出したのだ。この本ではそのポップを撮りおろし、掲載している。
実は、ジュンク堂書店新宿店の閉店間際に行く機会があった。
閉店の1週間前に訪れたため、店内の多くの棚は本が無くガランと空いていて、その寂しい景色に泣きそうになった。
そして、この本でも紹介されているフェア、そしてポップ。
そりゃあもう、店員さんの本に対する熱い想いをビシビシと感じるものだった。そして、そこに集まる人々の熱気もすごかった。フェアの棚の前に人だかりができ、食い入るようにポップを読む様子は初めて見るものだったし、私がポップを眺める間にも多くの本がレジへと運ばれていった。
オススメしているのは決して新刊本ばかりではないし、話題本ばかりでもない。それでもその本に興味をそそられるのは、やはりポップに書かれている店員さんの「読んでほしい!」という熱意ゆえだと感じた(そしてまんまと1冊買ってしまった)。
この本では、その手書きのポップの写真を載せたページに加え、閉店当日のドキュメント、そして巻末に元店員さんの対談を掲載しており、裏話や本音のあれやこれやが載っている書店好きにはたまらない内容だ。元店員さんのコメントからはジュンク堂書店新宿店への愛着がひしひしと伝わり、グッとくるものがあった。
ネット上でいつでも簡単に本が手に入るようになった現在、それでも書店が好きだなぁと思えるのは、もちろん本が並べられている空間がただただ好きというのもあるけれど、そこに関わる方々の想いが伝わってくる場所だからなのだと再認識。本に出てくる書店はなくなってしまったけれど、今まで以上に書店を巡りたくなる、そんな本でした。